細胞の隅々まで届く“溶解型酸素”の力とは? 「いつまでも山を楽しみたい」男が提案する、健康寿命を延ばす新常識

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アスリートだけのものではない。低酸素・高酸素ルームの知られざるメカニズム

たった一人の熱狂から世界が動き出す想いをインタビューする「On the One」。今回お話を伺ったのは、{静岡県焼津市で低酸素・高酸素ルームを提供する岸本 計則さん}。後編では、アスリートだけでなく一般の人にこそ知ってほしい{低酸素・高酸素の隠された効果や、細胞の隅々まで届き毛細血管を蘇らせるという“溶解型酸素”の驚きのメカニズム}について伺いました。さらに、病気になる前に体をつくる「予防」の重要性から、健康寿命を延ばして{「いつまでも山を楽しみたい」と語る岸本さんの今後の目標}まで、私たちの健康の常識を変えるお話を伺いました。


(岸本 計則さん)


岸本 計則さん
1966年生まれ。静岡県焼津市出身。
元々は父親から大工の仕事を引き継ぎ、住宅の建築関係の仕事をしていたが、13年前に富士山に登ったことをきっかけに山登りにハマり、富士山の全ルートを制覇した後、他の山々にも登るように。しかし山登りの度に高山病になることを克服するため、また「いつまでも山を楽しみたい」という想いから、2025年春に低酸素/高酸素ルームの設備を自身の所有する建物の1階に導入し、一般向けにも提供し始めている。

血流・代謝・老化にアプローチ──酸素環境が導く新しい予防の形

myicon編集長 ケンフィー最近よく言われる「タイムパフォーマンス」にもつながってきそうですね。

”"岸本 計則さんあと毛細血管とか、血液の隅々までは、呼吸をしている酸素ではない別の酸素じゃないと行き届かないんですよ。

myicon編集長 ケンフィーそれってどういうことですか?

”"岸本 計則さん末端というのは血流が悪いため、酸素が行き届きにくく、冷え性になったりしますよね。この血液中の酸素が、脳の頭から足先まで、全身に行き渡るんですよ。

myicon編集長 ケンフィーなるほど。

”"岸本 計則さんええ。だんだん年齢を重ねると、血管も老化しますし、運動しないと毛細血管の数も減ってしまうんですね。

myicon編集長 ケンフィー低酸素/高酸素ルームが、そういった老化や運動不足の影響にも対処できるということですか?

”"岸本 計則さんそうなんです。毛細血管を減らさないようにしたり、あるいはちょっと古くなっているかもしれない血管も、健康な血管にするという効果があるんですよ。

myicon編集長 ケンフィー古くなった血管にも良い影響があるというのは驚きです。

”"岸本 計則さんそのため、血液の健康診断などで数値が出る、例えば生活習慣病のようなものをお持ちの方が改善されたり、といった効果も期待できるんです。

myicon編集長 ケンフィー健康増進に繋がるわけですね。

”"岸本 計則さんただ、医学的・医療的なことはお伝えできないので、大々的には言えないんですけど、そういったメリットもあるということです。

myicon編集長 ケンフィー体に負荷をかけた方が長生きできるという研究もありますよね。例えば寒さの負荷も必要だと言われていますし。

”"岸本 計則さんこの低酸素ルームでは、2500メートルや3000メートルまで(標高を)上げられるんですが、実は2500メートルくらいの環境が、人間の体にとって一番健康に良いらしいんですよ。エチオピアやケニアの、すごい速いマラソン選手がいるような村、2500メートルくらいのところには、癌の患者がいないとか、そういった話もあるんです。

myicon編集長 ケンフィー癌の患者さんがいないというのは驚きですね。

”"岸本 計則さんそうなんです。私たちのように標高0メートルに近いところで、電子機器から発するブルーライトなどの電磁波を浴びて過ごしているのは、今の時代的には仕方ないんですが、本当はその環境がすごく健康には良いんです。

myicon編集長 ケンフィー焼津市は特に標高が低いですもんね。

”"岸本 計則さんあと日本では予防するよりも、病気になったら病院に行くじゃないですか。外国は違うんですよ。自分自身で、ある程度もう治したり、前もって病気や怪我になる前に自分でどうにかしようという考え方なんです。
日本も、病気や怪我になる前に、病気や怪我にならないような体作りをする意識に変わってくれればいいのにと思いますね。

myicon編集長 ケンフィー窓口負担が3割ですもんね。

”"岸本 計則さんでも日本人は健康寿命が伸びてないじゃないですか。寿命は世界最長ぐらいと言われてるけど、健康寿命は伸びてない。本当はそこに意識を向けてほしい。

myicon編集長 ケンフィー確かにそうですね。


(図解)

まだ知られていない「低酸素の力」──一般の人にこそ届いてほしい新常識

”"岸本 計則さん今、低酸素というのは、アスリートだけじゃなくて、一般の人にも入ってもらえると良いんですが、なかなかそこが周知されてません。

myicon編集長 ケンフィーそれだけまだリテラシーが追いついてないってことかもしれないですね。

”"岸本 計則さんそう、そう。トヨタ自動車とか、旭化成とか、大学の駅伝チームなんかも入れてるくらい、効果があるという実績はあるんですよ。

myicon編集長 ケンフィー静岡県内には少ないんですか?

”"岸本 計則さんそう、本当にないんですよ。東京とか横浜とかだともうちょっとあったりするですが。また、低酸素ルームの中には気圧が変わらない施設も存在しますね。

myicon編集長 ケンフィーこちらは気圧も変わるんですか?

”"岸本 計則さん(YAMA ASOBIの)低酸素ルームでは気圧も変わります。高山病になるっていうのは、酸欠状態で頭が痛くなるだけでなく、気圧も影響していて。なので、ここでは3000メートルと同じ環境で、低酸素・低気圧の環境にしています

myicon編集長 ケンフィー純粋な疑問なんですが、気圧が下がることで頭痛がするっていうのはどういったことでしょうか?

”"岸本 計則さん耳には気圧のセンサーがあって、気圧が下がると血管の拡張や自律神経の乱れ、めまい、吐き気、耳の詰まりといった高山病の症状が起こるんです。

myicon編集長 ケンフィー飛行機に乗ったり、少し標高が高いところから下ったりしたときに、耳から異変が起きるのはそのためなんですね。

”"岸本 計則さんあと女性であれば、肌とか美容とかダイエットとかにも良いと言われています。公にはあまり言えないんですけど、女優さんも結構、高酸素を取り入れてるんですよ。

myicon編集長 ケンフィー女優さんたちの活動の裏側には、ちゃんとメンテナンスがあるというわけですね。

”"岸本 計則さんええ。さらに疲れが取れるとか、睡眠の質が良くなるといったメリットもあります。

高酸素が支える「衰えない身体」──溶解型酸素の秘密と健康寿命の延ばし方

myicon編集長 ケンフィーちなみに高酸素ルームで、ここまで改善するのはどういったメカニズムなんですか?

”"岸本 計則さん結合型酸素と溶解型酸素といって酸素には2種類あるんです。結合型酸素は通常の呼吸で得られる酸素で、ヘモグロビンと結合していて、体内酸素の99%はこれなんです。ただ分子が大きいので、末梢の毛細血管にはいかない

myicon編集長 ケンフィーなるほど。

”"岸本 計則さん一方で溶解型酸素は、通常の体の中に少ししか存在しないんですが、結合型酸素より分子が小さいから、血液やリンパ液、体液に直接溶け込めるので、全身の毛細血管や細胞の隅々まで酸素を届けることができます。これが、高酸素ルームじゃないと取り込めないんです。

myicon編集長 ケンフィーなるほど、溶解型酸素を取り入れるために高酸素環境が必要っていうわけですね。

”"岸本 計則さんそう。これが全身の細胞の隅々まで行くから、脳まで酸素が行き届けば、例えば認知症や脳梗塞とか、そういうものになりにくいという事例もあります。さらに、毛細血管まで届くから、冷え性とかにも効果的ですし、末端の骨折の際にも早く回復するようになります。

myicon編集長 ケンフィー骨折まで治しちゃうんですね。

”"岸本 計則さんベッカム選手がワールドカップ直前で怪我をしたのに、早く復帰してワールドカップに出場できたのは、高酸素ルーム(酸素カプセル)が要因ではないかと言われています。

myicon編集長 ケンフィー溶解型の方はどうやって(体)に入ってるんですか。

”"岸本 計則さん高酸素環境は、気圧も高い状態なので、毛穴とかから入り込みます。通常の環境では残念ながら入り込めません。

myicon編集長 ケンフィーそうなんですね。

”"岸本 計則さんあと自分の場合は、人によって個体差はありますが、高酸素ルームに入ると体が柔らかくなるんですよ。


(図解)

myicon編集長 ケンフィーこの環境を自分たちのために導入したとのことですが、これからこの環境を活用して、もっといろんな山ーーもっと高い山とかに登ってきたいみたいなのもあるんですか?

”"岸本 計則さんいや、別に海外の4000メートルとか、そこまで登ってみたいとは思わないです。とにかく健康で、その時に楽しめる山を登りたいと思っています。

myicon編集長 ケンフィー「いつまでも山を楽しみたい」ということですね。老化とかで楽しめなくなるのを防ぎたいとか、ずっと楽しんでいきたいっていうのは、多くの人にとっても大事なことですよね。

”"岸本 計則さんそうそう。本当に、健康寿命が長いと、それで楽しめますからね

myicon編集長 ケンフィー「こういう施設が焼津にあるよ」っていうのが広まるといいですね。

”"岸本 計則さん本当にそうですね。中には「これからはこういうのが必要だよね」って言ってくれた方もいて、一部では理解してもらっていますが、一般的には広まっていかないですね。

myicon編集長 ケンフィーそういった健康に対するリテラシーみたいなところも全体的に上がってほしいですよね。

”"岸本 計則さんそうそう。でも、それは個人ではどうしようもできないので、本当は国がそういうのを主導してやってほしいですね。

myicon編集長 ケンフィー最初は低酸素ルームや高酸素ルームについて聞く予定でしたが、山に対する想いや、酸素コントロールによる健康法まで伺えて、僕も勉強になりました。長い間、ありがとうございました。

前編はこちら

“焼津まちリポ”でも掲載

焼津まちかどリポーターの方で「酸素コントロールで健康寿命を叶える!山を愛する店主が焼津市で提案する新セルフケア」と題した記事を掲載中です。
そちらの記事もぜひご覧ください。

焼津まちリポ記事はこちら

(取材協力: 岸本 計則 氏(Instagram)/取材・編集:ケンフィー(Instagram, Twitter))